強酸/強塩基のpH測定におけるポイント3つ

強酸/強塩基(強アルカリ)のpH測定を行われている方はたくさんいらっしゃいますが、
「測定値の信頼性が低い気がする、安定した数値が得られない」
「pH電極のメンテナンスはどうしたら良いの?」
など気になることはありませんか?
ここではよくあるお話をもとに、製品の選び方からメンテナンスについてポイントを3つ、ご案内します。

①pH電極は強酸/強塩基に対応したものを
②測定試料のpH値に近い標準液を使ってますか?
③正しい電極のメンテナンスとは?

では、①から見ていきましょう。


①pH電極は強酸/強塩基に対応したものを
薬品の種類にもよりますが、まずpH電極のボディ材質はガラス製が一般的です。PEI樹脂(ポリエチレンイミン)やチタン製もありますが、耐薬品性を考えるとガラス製は対応できる幅が広いはずです。
※ただしフッ化物を含む試料(フッ化水素酸=フッ酸)の場合、HI 1143Bという専用の電極をご使用ください。⇒ HI 1143Bの詳細はこちら

その上でさらに電極の構造(種類)から選ぶと、
HI 10430
HI 1043B
という品番のpH電極が適しています。


強酸/強塩基、塗料/溶剤、海水、トリス緩衝液、高導電率の試料
測定に適しています。ガラスボディでこういった形状です↑
HI 10430はedge(エッジ)という測定器の専用電極。⇒ 詳細はこちら
HI 1043Bは汎用のBNCコネクターに対応した電極です。⇒ 詳細はこちら

ちなみに、他のpH電極でも測定しpH値を見ることは可能です。しかし、継続的に信頼性の高い測定をすることは難しく、専用の電極に比べ消耗・劣化が早くなることは避けられません。
というわけで、ハンナでは上記のものをご案内しています。


②測定試料のpH値に近い標準液を使ってますか?
①ではpH電極の選び方をご案内しました。次はその電極(測定器)の校正におけるポイントです。測定試料が強酸性であれば中性と酸性側、強塩基(強アルカリ)性であれば中性とアルカリ性側で校正するのが基本ですね。ただ、校正に使用する標準液のpH値が測定精度や安定性に大きく影響するのはご存知ですか?

あまり知られてないけどスゴい!?ハンナのpH標準液」でも触れましたが、測定試料のpH値に近い標準液を使用することで精度、信頼性、反応速度を限りなく高められます。(カスタム校正という機能により)

これに関しては、強酸性の測定をされているユーザー様のお話で具体的に書いていますのでご覧ください。


③正しい電極のメンテナンスとは?
②で校正を行い測定が終わったら、最後にpH電極を洗浄し保管します。強酸/強塩基性の試料はpH電極への負担がとても大きいため、測定後はすぐに精製水や純水などで十分にすすぎ、電極洗浄液に浸けて目に見えない付着物を除去してあげることが大切です。電極洗浄液には強い効力があり、汚れや詰まりによる消耗・劣化を最小限に抑える役割があります。


電極洗浄液はボトル入りと使い切りタイプをご用意。
30分浸け置きするだけで大きな効果があります。
画像をクリックすると電極洗浄液の詳細ページへ↑

電極洗浄液での洗浄が終わったら、精製水や純水などで十分にすすぎ保管です。電極保存液を保護キャップに垂らし電極を入れ、きゅっと締めれば限りなく密閉できます。pH電極は乾燥状態が続くと消耗・劣化につながるため、電極保存液で湿った状態を作ってあげるわけです。


電極保存液は容量別に3種類をご用意しています
画像をクリックすると電極保存液の詳細ページへ↑

電極洗浄液での洗浄電極保存液での保管は強酸/強塩基の測定に限らずメンテナンスとしてとっても大切です。


まとめ
今回は強酸/強塩基のpH測定におけるポイント3つ、ご案内しました。
高い精度や信頼性のある測定を行うためにも、

pH電極は強酸/強塩基に対応したものを使い、

測定試料のpH値に近い標準液で校正を行い、

ご使用後に適切なメンテナンスを行う

ことをお試しください。
その上でご不明点やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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あまり知られてないけどスゴい!?ハンナのpH標準液