アクアリウムや水槽の塩素濃度を知るべき理由【生体を守る】
アクアリウムや水槽の塩素濃度を知るべき理由【生体を守る】
2023.02.06
※本記事はハンナ インスツルメンツ アメリカ本社の情報を引用し編集しています。
水槽の水質
塩素の分析は、アクアリウム、水産養殖、観賞魚用の養魚池、水生生物を飼育するあらゆる施設において非常に重要です。塩素、クロラミン、それらのさまざまな形態は、生体の健康状態を把握するために重要です。塩素の形態が、水系にどのように影響するか、水中の塩素を監視する方法については、以下をお読みください。
塩素とその形態
塩素は強力な酸化剤であり、魚や水に生息する生体に対して強い有毒を持ちます。多くの場合、遊離塩素、結合塩素、および全塩素として表現されます。遊離塩素は一般に次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸塩(OCl-)イオンで構成され、結合した塩素は水源を消毒するために使用された濃度からなります。全塩素とは、遊離塩素と結合塩素の合計を指します。
水中の遊離塩素はROフィルター(逆浸透膜)に有害であり、使用前に水源から除去されいてるかどうかを確認する必要があります。塩素は、バクテリアの抑制や殺菌のために、多くの水道水に添加されています。一部の自治体では、同じ目的でクロラミンを使用しています。
クロラミンは塩素とアンモニアの組み合わせです。クロラミンは一般に塩素と比べて殺菌力は弱いですが、残留時間が長いのが特徴です。さまざまな形態の塩素が、微生物、細菌、潜在的な病原体を殺菌するために使用されますが、微量に存在すると魚や無脊椎動物に致命的な影響を与えるがあります。
水系における塩素
一般に水道水の塩素濃度は1.5~2.0ppmと言われています。塩素は強力な酸化剤であり、濃度が0.1~0.3ppm程度でもほとんどの魚・生体に致命的な影響を与える可能性があります。水系では健康上の問題が発生する可能性があるため、濃度を0.001~0.003ppm以下に維持するのがベストです。塩素は強力な殺菌剤であるため、水または細菌ろ過システム中の多くの有益な細菌が、塩素によって死滅する可能性があります。
魚は、水からの飛び出し、横たわり、多動に加え、尾やヒレ、口の痙攣など塩素への過剰な反応・症状を示すことがあります。魚が0.3ppm以上の塩素に晒されると、呼吸困難、窒息、場合によっては死ぬこともあります。pH6~7では、次亜塩素酸(HOCl)がより優勢であり、最も毒性の高い形態です。水のpHが7を超えると、次亜塩素酸塩イオン(OCl-)が多くなり、HOClに比べて毒性が低くなります。
塩素は、強力なエアレーションや活性炭を使用することで水から除去できます。また24~48時間後に自然放出されるため、塩素除去に有効です。チオ硫酸ナトリウムは塩素を簡単に中和しますが、一般にクロラミンは除去が難しいです。
クロラミンは揮発性が低いため、塩素に比べて除去が難しい場合があります。魚に対する毒性はクロラアミンの方が強く、クロラミンを無害化する水質調整剤には、一般にヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムが使用され、クロラミンを分解し、アンモニアを毒性の低いイオン化したアンモニウムに変化させます。
塩素のモニタリング方法
水生生物の健康を確保するために、自信を持って塩素を監視できるよう、さまざまな製品を提供しています。塩素の測定は、一般的に試験紙や化学試験キットで行われます。試験紙は不正確で汚れやすいため、理想的ではありません。化学検査キットは、色の変化を測定するため見る人の目に依存します。
ハンナのHCチェッカーは、シンプルな化学テストキットと専門的な測定器の間のギャップを埋めるものです。HI 711デジタル低濃度全塩素チェッカーは、全塩素を0.00~3.50ppmの範囲で効率的に分析する方法であり、水源を理想的な状態にします。HI 701デジタル残留遊離塩素チェッカーは、水質に悪影響を与え、逆浸透膜に損傷を与える可能性のある水源・水中の遊離塩素濃度を調べるシンプルで使いやすい方法を提供しています。
HI 761デジタル超低濃度全塩素チェッカーは、水生生物の生息するシステム内の塩素を分析する優れたツールです。全塩素を0~500ppbの範囲で測定することで、海水や淡水の生物の健康に影響を与えるような微量な塩素が水中に存在しないことを確認することができます。チェッカーを組み合わせてすることで様々な塩素濃度を監視でき、アクアリストや水産養殖業に従事される方は確信をもって塩素濃度を確認できます。これにより水質が塩素によって悪影響を受けていないこと、または中和方法が効果的に機能していることが確認できます。
塩素測定器紹介
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