有機リン酸塩とは、植物や動物の組織と有機的に結合しているリン酸塩のことです。このタイプのリン酸塩は主に生物学的プロセスによって形成され、アクアリウムのなかで継続的に発生します。
正リン酸塩は無機リン酸塩、または反応性リン酸塩を指します。このタイプのリン酸塩は可溶性で容易に吸収することができ、直接測定することができる唯一のリン酸塩です。
サンゴアクアリウムにおけるリンの主な供給源は、日常的に投入される餌です。リンは魚の餌として必要なものなので、与えすぎによる栄養分の過剰摂取を防ぐためにアクアリストは多くの注意を払います。
また水槽内では、植物の腐敗、食べ残しの餌の分解、魚やその他の生物の排泄物などにより、リンが継続的に生産されています。水道水や逆浸透膜水(RO水)は、蒸発した水の代わりに水槽内の塩分濃度を調整するために使用されますが、この交換水もアクアリウム内のリンの供給源となり得ます。
どちらの水も低量から微量のリンを含んでおり、蓄積されたリンの濃度をコントロールしなければ悪影響を及ぼします。海水水槽に含まれるリンの理想的な範囲は0~30ppbと極めて低いものです。リンが30ppbを超える濃度で存在すると、サンゴの種類によっては炭酸カルシウムの沈殿が阻害されることがあります。
サンゴは石灰化によって成長、生存、幼生の発育が可能になるため、これはサンゴに直接的な影響を与えます。
また、リンの濃度が高い場合、藻類が過剰に発生することもあります。リンは海水では制限的な栄養素であり、過剰になると富栄養化し、藻類や海水植物が過剰に繁殖するようになります。植物や藻類が成長し、その結果、枯れて腐敗すると、この分解によって利用可能な酸素が消費され低酸素状態になることがあります。
水槽内に十分な量の溶存酸素が存在しなければ、生物は繁殖することができません。海水水槽内のリンの濃度は、サンゴを趣味とする人にとって最も重要な懸念事項の1つです。
とあるサンゴ水槽のサプライヤー様が水槽内のリン濃度を測定したいとご相談いただきました。毎日多くの水槽をメンテナンスするため、お客様はリンのレベルが0~30ppbの許容範囲内であることを確認するための、携帯可能で便利な測定器をお探しでした。
HI736 超低濃度リンチェッカーは、使いやすさと正確な測定結果が得られることから推奨されました。
HI736の測定範囲は0~200ppbで、リンの測定範囲もカバーしています。また分解能は1ppb、精度は±5ppbで、以前使用していた化学試験紙から分解能と精度が大きく改善され、アクアリウム水槽のモニタリングに自信を持たれました。
超低濃度リンチェッカーで各水槽を順次測定し、ボタン1つでその場で分析できることを高く評価していただきました。
HI736を水槽の水そのものでゼロ点調整した後、試薬1包をサンプルに加えて2分間振とうするだけです。
その後、混合されたサンプルをチェッカーに入れてボタンを押し続けると、自動タイマーがスタートします。このタイマーにより、リンと化学試薬が完全に反応してから測定が行われます。
3分後にチェッカーは自動的に測定を行い、リンの濃度をppbで表示します。
またこちらの企業様は、リン(P)ではなく、リン酸塩(PO43-)の形でppm単位で結果を見たいというニーズがありました。
ppbリンからppbリン酸に変換するには、測定結果に3.066を掛ければその値になります。ppbリン酸塩からppmリン酸塩への変換は、測定値を1000で割って行います。 リンの測定値から、魚やサンゴにとって問題となるリンの濃度が高い水槽や増加している水槽を特定することができました。
迅速な診断により深刻な問題が発生する前にリンのレベルを調整することができました。
超低濃度リンチェッカーは経済的で価値のあるツールであることが確認されました。
HI 774
初回分の試薬付きでレンタル利用ができるので、是非一度使用してみてはいかがでしょうか。