水道水や純水のpH測定のコツ

飲料水(上水や水道水)、純水、地下水や河川水などの環境水、ミネラルウォーターなどのpH測定を行われている方で、
なかなか測定値が安定しない
反応速度が遅く、とても時間がかかる
といったお悩みありませんか?
これらは一般的に導電率(EC値)が低く、pHを測定するのに「応答が遅い」「測定しづらい」と言われます。
それらを限りなく解消するため、ここでは導電率が低い水のpH測定におけるコツを2つ、ご案内します。

①使う電極で圧倒的な差が出ます!
②測定時のポイント

早速、①から見ていきましょう。


①使う電極で圧倒的な差が出ます!
まず、最も重要とも言えるのがpH電極選びです。測定器のご案内になってしまいますが、ハンナでは飲料水・低導電率水用のpH計(HI 99192D)を絶対的にオススメしています。


これがその本体、HI 99192D↑ なぜ絶対的にオススメかというと、
理由は特殊なpH電極(FC 2153)にあります。

特殊なpH電極とは?
トリプルジャンクションを採用

pH検知のための内部液が流出する液絡部(セラミック)が3つあり。
一般的なシングルジャンクションのpH電極では、1つの液絡部から
15~20μL/時
の内部液が流出します。それに対しこの電極
(FC 2153)では3つの液絡部から40~50μL/時の量になります。
トリプルジャンクションを採用しpHを検知しやすい状態を作ります。


高感度のガラス電極膜 & 増幅器


FC 2153の電極膜には低温用ガラスを採用。
一般用途に比べ電気抵抗が小さく、感度が高くなります。
さらに電極には増幅器が内蔵されておりノイズ誤差を低減。
これらは、素早く安定した測定につながります。

 
特殊なpH電極っていうけど実際どうなの?と思われる方へ。
ユーザー様とのデモや社内検証で反応の速さや安定性は実証済みです。ご興味あればデモ機(無償)でお試しいただけます。⇒ デモ機のご依頼はこちら


②測定時のポイント
①ではpH電極(本体)をご案内しました。次は測定する時のポイントです。

測定試料ですすいでから測定

同じ測定試料を2つ準備。
1つはすすぎ用、もう1つは実際の測定用に。
コンタミ(試料汚染)をなくし安定性につながります。


内部液の補充孔をオープン


測定時に内部液の補充孔を開けることは大切。
それにより圧力が加わり液絡部からの内部液の流出が安定します。


たっぷりの試料をスターラーで撹拌


pH測定においてスターラーでの撹拌も大切です。
流速を作り、応答時間を早め安定性を高めます。


イチオシの組み合わせ


HI 99192Dは持ち運びに便利なポータブル型のため、
スターラーは電極ホルダー付き(HI 181シリーズ)がオススメ。
電極を固定でき、作業効率がアップします。
HI 99192Dの製品ページはこちら
HI 181シリーズの製品ページはこちら


分析用途のプロフェッショナルタイプはこちら
卓上型で精度の高さ、反応速度の速さを誇るpH計。純水など導電率の低い水の測定に対応したオプション電極を使うことで最大限の能力を発揮します。
卓上型HI 5222の製品ページはこちら
オプション電極HI 1053Bの製品ページはこちら


まとめ
今回は飲料水(上水や水道水)、純水、地下水や河川水などの環境水、ミネラルウォーターなど導電率が低い水のpH測定におけるポイントを2つ、ご案内しました。
反応速度を速め、安定性の高い測定を行うために、

pH電極は低導電率の測定に適したものを使い、

測定試料で1度すすぎ、内部液の補充孔を開け、

たっぷりの試料をスターラーで撹拌しながら測定する

ことをお試しください。
その上でご不明点やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。