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溶存酸素と温度の関係

溶存酸素と温度の相関


「溶存酸素と水温は、水質を判断する指標となります。溶存酸素と温度は反比例の関係にあり、温度が上昇するほど溶存酸素量は減少します。この2つのパラメーターは水耕栽培や水産養殖を始めとした様々な用途でモニタリングすることが重要になります」

担当:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン
   アプリケーションエンジニア コスマス(生物工学 博士)

物質の水分量を測る理由

溶存酸素と水温は、水質を判断する指標となります。この2つのパラメーターは水耕栽培や水産養殖を始めとした様々な用途でモニタリングすることが重要です。
温度が溶存酸素に与える影響を細分化すると、以下のふたつとなります。

a. 拡散 ~温度は分子の活性を高めるため、拡散(高濃度から低濃度への移動)を促進する。

b. 溶解度:活発な衝突により、酸素が試料に溶解する能力を低下させる。

温度は物理世界のあらゆる因子に影響を与え、溶存酸素も例外ではありません。温度は液体や体内に含まれる溶存酸素濃度に対して反比例の関係にあり、温度が高くなると溶存酸素は減少します。

溶存酸素(O2)は気体で、一定の圧力がかかると発散する性質を持っています。温度が上昇すると、酸素分子は液体へ溶けにくくなります。発散するために多くの熱エネルギーを得ることになり、結果として測定箇所や試料中の溶存酸素は少なくなります。

冷たい水のような液体は、温かい液体よりも多くの溶存酸素を保持することができます。これは、水素分子と酸素分子をつなぐ分子結合が熱圧力によって遮断され、酸素が遊離(脱出)する、つまり溶けにくくなるためです。

酸素ガスが逃げる = 溶存酸素の濃度が下がる

この現象は酸素に限らずどんな気体に当てはまる法則です。

ビーカー(A) は温度が低いためイオンが凝縮しているのに対し、(B)は温度が高いためイオンが分散しています(溶解しにくい)。

標準化されていないDO測定センサーは,誤って高い測定値を示すことがあります。温度が低い場合は、逆の現象が起こる場合があります。

水中の溶存酸素に影響を与える要因は、塩分や標高、人などいくつかありますが温度は他のすべての要因と直接的または間接的に関係しています。

一般的に、日中に測定された溶存酸素は夜間に記録された測定値よりも高くなります。これは水面を通過する太陽光により、夜間よりも日中の方がより多くの酸素分子が溶存酸素として放出されるためです。

溶存酸素はどこから来るのか?


溶存酸素が水中に取り込まれるケースは

・大気中から直接吸収

・風、波、水流

・水生植物の光合成による副産物

などがあります。

酸素の約21%は大気中の酸素であり、溶存酸素のほとんどは光合成によっての副産物的に生じたものです。溶存酸素は、水生生物(動物プランクトン、魚など)が生存するために必要不可欠な要素です。
 
自然界の水中に溶け込んでいる気体の酸素(O2)を溶存酸素(DO)と呼び、酸素は大気中からの吸収、および植物の代謝(光合成)による廃棄物として水中にしみ込んでいます。

光合成は、藻類などの緑色植物が光を炭素(グルコースなど)などの有機化合物に変換するプロセスです。二酸化炭素と水が使われ、酸素は水中に溶存酸素として放出されます(下式)。

6CO2 + 6H2O C6H12O6 + 6O2
二酸化炭素 + グルコース + 溶存酸素として水中に溶け出す可能性がある物


水中に入る溶存酸素は大きく分けて2種類あり、植物の活動(光合成)による溶存酸素の合成 (図左)、 と気流によって水中に浸透する溶存酸素(図右)の吸収

水・溶液中の溶存酸素濃度を高めるには?

水中の溶存酸素量を向上させるには、以下のような方法があります。

a.水生植物を入れる。水草を入れると、水中の光合成が活発になり、酸素が発生しやすくなります。
b.純粋な酸素にさらすのも有効な方法です。
c.純粋な酸素ガスを水中で泡立たせると、溶存酸素濃度を大幅に高めることができます。
d.水中エアレーター。圧縮空気をディフューザーで送り込む。
e.表層水の水温を下げることも、溶存酸素濃度の向上に役立ちます。

水耕栽培、環境試料採取、漁業、醸造などでは溶存酸素の濃度が重要であり、健全な状態を維持するべく注視する必要があります。
溶存酸素が少なすぎたり多すぎたりすると、生物に悪影響を及ぼすことがあります。水中の溶存酸素量によって、水質や生物(植物や魚)の状態がわかるため、溶存酸素量をコントロールすることは重要です。

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