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pH電極の状態確認
ハンナのpH計には校正後に電極の状態を画面表示する機能が付いた製品もあります。また、pH-mVモードを利用できるpH計ならオフセット(ゼロ点)とmVからスロープ(傾き)を計算し確認することができます。このページではその確認方法をご案内します。
pHとmVの関係
pHガラス電極法では、pHガラス電極と比較電極の2本の電極を使用し、これら2つの電極間に生じた電位差から試料(溶液)のpHを求めます。pHガラス電極では薄いガラス膜の内側(電極内部液)に発生する電位を測定、比較電極では外側(測定試料)に発生する電位を測定します。理論上では溶液が25℃の場合に、pHが1違うと59.16 mVの起電力(電位の差)が生じます。一般的にpHガラス電極の内部液はpH7のため、比較電極で測定した電位との差:± 〇mVを求め測定試料のpHを表示します。以下はpHとmVの関係を示した図です。点線は理論値を結んだもの。pH校正では一般的に2種類以上の標準液を用いて検量線を描き、
理論値に近づけるための補正を行うことで測定精度と信頼性を確保します。
スロープの計算方法
以下は、pHとmVからスロープ(%)を計算する方法です。
まず、pH7の標準液(pH7.01)に電極を浸け、オフセットを読み取ります。(上の①に当てはめます)
次に、pH4(pH4.01)またはpH10(pH10.01)の標準液に電極を浸け、mVを読み取ります。
(上の②にはpHを、③にはmVを当てはめます)
⇒ 計算式によりスロープ(%)を求めることができます。
<計算式の例>
・pH7の標準液(pH7.01)に電極を浸け、オフセットが5だった。
・pH4の標準液(pH4.01)に電極を浸け、mVが170 mVだった。
計算式の①には5、②には4、③には170を当てはめます。
計算をすると・・・スロープ = 92.97%(約93%)になります。この結果の判断方法は以下をご参照ください。
次に、pH4(pH4.01)またはpH10(pH10.01)の標準液に電極を浸け、mVを読み取ります。
(上の②にはpHを、③にはmVを当てはめます)
⇒ 計算式によりスロープ(%)を求めることができます。
<計算式の例>
・pH7の標準液(pH7.01)に電極を浸け、オフセットが5だった。
・pH4の標準液(pH4.01)に電極を浸け、mVが170 mVだった。
計算式の①には5、②には4、③には170を当てはめます。
計算をすると・・・スロープ = 92.97%(約93%)になります。この結果の判断方法は以下をご参照ください。
許容できる範囲のオフセットとスロープ
以下は、水温25℃での理論値とオフセット、スロープの許容範囲です。理論値 | 許容範囲 | |
Offset
(オフセット) pH7として |
0 mV | ± 30 mV |
Slope
(スロープ) pHに対するmV |
100% (59.16 mV) |
85 ~ 105% (50.3 ~ 62.1 mV) |