【連載1/2】全国数ヶ所の水道水の硬度を測定してみた

今回と来週、2週に渡りお届けする連載ものです。
私、GWの連休中に関東北部と九州に行き、せっかくなので各地域で採水してきました。というわけで今回は「水の硬度を測定する全硬度計で全国数ヶ所の水道水の硬度を測定してみた」です。採水地は、
①佐賀県嬉野市
②大分県大分市
③群馬県利根郡みなかみ町
④埼玉県戸田市
⑤千葉県千葉市(ハンナのオフィス)
です。

その結果やいかに・・・

と、ここまで書きましたが実はまだ測定の途中でして。結果は来週発表しますので、今日は水の硬度(全硬度)について書きます。実際にハンナの全硬度計がどんな場面で使用されているかもご紹介しますのでお役に立つはずですよ。

さて、水の硬度(全硬度)とは?

水中のカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の量をそれに相当する炭酸カルシウム(CaCO3)に換算したものです。
全硬度 = カルシウム硬度 + マグネシウム硬度 となります。日本では一般的にアメリカ硬度(mg/L)が用いられ、水1リットル中に〇mg含まれていることを示します。(mg/L = ppm)

軟水と硬水

水の硬度と聞くとイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれませんが、軟水とか硬水という言葉だと身近に感じませんか?ミネラルウォーターや浄水器(軟水器)によって今では広く知られていますね。軟水と硬水に関して、世界保健機関(WHO)の基準では硬度120mg/L以下を軟水、120mg/L以上を硬水としています。要はカルシウムとマグネシウムが比較的多い水が硬水、比較的少ない水が軟水となります。

国や地域によって硬度は違う?

よく日本は軟水、ヨーロッパは硬水とか言いますが、何故だかご存じですか?
これは地形や地層が関係してます。まず、雨や雪は地中に染み込み年月をかけて地層内を移動します。その間に地層中のミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)を吸収して天然水として湧き出るわけです。

日本では国土が狭く起伏が激しいため、水が地層内に存在している時間が短いです。そのためミネラルを吸収する時間も少なく軟水になりやすいと言われています。
一方、ヨーロッパ大陸では国土が広くゆるやかな地形のため、時間をかけて地層内を移動します。そのためミネラルを吸収する時間が長く、さらにミネラルの多い石灰岩の地層が多いため硬水になりやすいようです。

とはいえ、日本でも硬水の地域はあります。以前、テレビ番組内でその調査を行いハンナの全硬度計を使ってもらったことがありました↓

その時の番組の様子。これについてはまた今度ご紹介したいと思います。

どんな場面で水の硬度を測定するのか?

ここからは水の硬度の測定に関してです。実際に全硬度計を使用されているお客様の用途をご紹介しましょう。
ミネラルウォーターの硬度測定
主に製造メーカーでの品質管理として多数使用されています。

浄水器や軟水器の試験・評価
製造メーカーをはじめ、機器を通した水の測定を行うことで品質評価に役立ちます。

水道水や天然水の測定
環境調査を行う機関や受託する企業で使用されています。

お茶やコーヒーに使用する水の測定
水の硬度によっても茶葉や豆のうまみや苦味、香りなどに変化が出ます。インスタント商品の製造メーカーやコーヒー店で使用する水のチェックに役立ちます。

お米を炊く水の分析・管理
水の硬度はご飯の美味しさにも関係します。一般的に軟水が向いていると言われますが、飲食業界では使用するお米に適した水で炊き上げることで美味しさを引き出しています。国内外問わず飲食チェーン店を展開されている企業でも、ご飯の美味しさを保つための品質管理として全硬度計が使用されています。

肌や髪などの美容業界
よく硬水は石鹸の泡立ちが悪いと言われますが、石鹸の成分は硬水に溶けにくく頭皮に石鹸カスが残りやすくなります。それにより髪の毛や頭皮へのダメージが生じます。また、軟水の方が肌への負担も少ないと言われます。スキンケアやヘアケアに関わる企業の研究部門では水の硬度を測定し研究に活かしています。

冷却水や温水、給水の水質検査
空調機器や工業用水で使用する水質の検査としても活躍しています。基準値以下にあるかの確認はもちろんですが、カルシウムやマグネシウムはスケールの原因となります。空調機器メーカーでは、水を一定期間循環させて硬度の推移をチェックされることもあります。

切削油の希釈水の硬度測定
クーラント(冷却水)の大部分は希釈水ですが、硬度によって影響を受けます。硬度が高いとスカムや腐敗などのトラブルの原因となり得ます。

湿し水の原水(水道水)の分析
印刷業界では、湿し水のチェックとしてpHやEC(導電率)の測定器は広く使用されていますが、硬度は原水の分析で測定されます。原水が硬水だとローラー剥げやpHのコントロールが不安定になりやすいと言われます。お客様から伺った話ですが、「だいぶ昔、日本からヨーロッパに印刷機を持っていき現地で試したらちゃんと印刷できない。日本では問題なかったのに何故か?と調べたら、使った水(水道水)の違いが原因ですぐに日本から水を取り寄せた」ことがあったそうです。

染色に使用する水の検査
衣服などを染色する際、水の硬度によって染色の程度が異なってきます。そのため、品質管理のために使用する水の硬度も検査されます。

アクアリウム(水槽水)
熱帯魚などの水生生物にとって水質は重要です。水族館をはじめ水槽水の検査と管理が大切になるところでは水の硬度を測定される方もいらっしゃいます。

いかがでしょうか?
全硬度計はハンナでも人気のある製品の1つです。手軽に測定できるため現場での簡易検査はもちろん、品質管理としても使用されている信頼性の高さもあります。ちなみに、硬度をチェックしたいけどデジタルの測定器ほどじゃなくて、もっと簡易的なものでいいんだけど…という方には水質検査キットがオススメですよ。

というわけで来週、各地の水道水の測定結果を発表しますのでお楽しみに。
to be continued next week…
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