【それゆけハンナマン】チーズ職人が使うpH計とは?

シリーズ【それゆけハンナマン】はハンナの営業マン(ハンナマン)がお客様を訪問した際のお話です。ハンナ製品が実際にどういうところで活躍しているのか、などをお届けします。


ジャパン チーズ アワード2018、金賞受賞の職人さん

さて、今回の訪問先は東京都の青梅市(おうめ)で「フロマージュ・デュ・テロワール」というお店兼工房を構えられているチーズ職人さんです。
工房のオープン時にpH計のことでご相談いただき、それ以来ご使用いただいてます。また以前、ハンナ会にもご参加いただきました。(ハンナ会に関してはこちらをどうぞ
そして今回、ようやく訪問することができたわけですが、ご存じない方のためにフロマージュ・デュ・テロワールさんについてちょっとご紹介を↓

代表の鶴見様はフランスの乳製品専門学校でチーズの製法を学ばれ、その技術を活かし独自のチーズを製造。乳酸菌作りからご自身で行われている。
東京都の青梅市にお店兼工房を構え、フランス語でその土地や地域を意味するテロワールという言葉に強いこだわりを持たれている。
人気商品の「フロマージュ・ドーメ」は青梅のチーズという意味で、原料の牛乳は青梅産、仕上げには青梅の酒造「澤乃井」のお酒を使用。2017年に東京都地域特産品認証食品を取得!都内産の原材料を使用している加工食品東京の伝統的手法など生産方法に特徴があると認められる食品で、かつこだわりや味、品質等を審査し認証された食品)
Dôme(ドーム)という商品は、昨年10月の国産ナチュラルチーズコンクール「Japan Cheese Award 2018(ジャパン チーズ アワード)ソフト 酸凝固(山羊乳以外)部門金賞を受賞!
鶴見様はチーズ製造を学びたい方や海外で勉強したい方にご自身の知識や経験を伝える活動もされており、同業の職人さんから先生とか師匠と呼ばれることも多い。


お店の外観。店先に置いてあるこの牛は海外からやってきたそう。


金賞を受賞したDôme(ドーム)の表彰状。


初めて見るような種類のチーズがずらり。(訪問時には)Dôme(ドーム)は
少し先まで予約でいっぱいとのことで人気ぶりが伺えます。


チーズ製造におけるpH管理の重要性

さて、チーズとpHの関係をご存じない方も多いはずですので、簡単にご説明します↓

チーズの製造工程においてpHは重要な指標です。牛乳のpHは約6.7ですが、乳酸菌が牛乳中の乳糖(糖分)を分解し乳酸を生成することでpHは下がります。pHが6.4付近になったらレンネット(酵素)を添加。牛乳の凝固を促進し、固形物(カード)を作り出します。その後、カードを切ってホエー(乳清)を除去しますが、この時のpHは最終的なチーズの組成や質感に直接影響するため重要です。モッツァレラはpH5.2。それより高いと加熱してもあまり伸びず、逆にpH5.2より低いと溶けすぎてしまいます。その他、スイスチーズならpH6.3~6.5などチーズの種類によって異なります。馴染みのない言葉が多いという方もいらっしゃるはずですが、要するにチーズ製造においてpH測定はとても大切ですということですね。

みなさん、どうやってpHを管理していますか?

そんなpHですが、実際にチーズを作られている方はどうやって管理されているのでしょうか?今までのユーザー様のお話を参考に書きます。
①測定器は使用せず感覚や経験(特に小規模で個人の方が多い)
②一般用途で比較的簡易なpH計を使用
③乳製品やチーズの測定に特化した専用のpH計を使用
ハンナは測定器メーカーですので②③のタイプは両方販売していますが、それぞれの主な違いをご説明します。

②一般用途で比較的簡易なpH計
安価で手に入りpH値を簡易的にチェックする場合には十分。
ただチーズの品質管理という用途で見ると、精度誤差が±0.1pHであっても品質に影響を与える可能性あり。
チーズの測定ではpH電極への負担は大きいが、一般用途のpH計だと電極の構造上、その消耗・劣化が早い。それは測定値の信頼性にも影響し、本体自体や電極の交換頻度も高くなる可能性大。  
③乳製品やチーズの測定に特化した専用のpH計
②に比べれば価格は上がるが、品質管理という用途に適した性能・精度を備えており安心。精度誤差は±0.02pHやそれ以下。
pH電極が消耗・劣化する性質は避けられないが、液絡部が詰まりづらく洗浄しやすい特殊な構造。このため高い信頼性を保つことができる。

乳製品やチーズ用のpH計って世の中にそんなに多くはない気がします。以前の記事なぜハンナにはワインやビール専用の測定器が多いのか?で、世界トップクラスのワイン生産量を誇るイタリアで創業したハンナはお客様のニーズにお応えするためワイン用の測定器が多いと書きましたが、チーズも同様です。ドイツ、フランス、イタリアをはじめ欧州のチーズ生産量は多く、測定器のニーズも多いためチーズ用のpH計をご用意しています。
ちなみに、鶴見様が通われたフランスの乳製品専門学校では授業でハンナのpH計を使用していたそうです。実際、他のユーザー様からも「国内外で修業中にハンナのpH計を使っていたから同じものを使用している」というお話は多いです。


オススメのpH計をご紹介


①チーズ用pH計 HI 99165D
チーズのpH測定に適した電極を採用。pH電極の状態を表示する
機能を備えた最新タイプ。セミハードタイプにオススメ。
上の画像をクリックすると製品の詳細をご覧いただけます↑



②乳製品・半固形食品用pH計 HI 99161D
基本性能は上のHI 99165Dと同じで、乳製品や半固形食品向けの電極を採用。
電極部が短く、こちらの方が扱いやすいという方も。フレッシュチーズにオススメ。
上の画像をクリックすると製品の詳細をご覧いただけます↑



③品質管理にぴったりのpH計 HI 2002-01 + FC 2020(食品用pH電極)
分析や品質管理に最適なハイグレードモデル。食品用のpH電極を
組み合わせチーズ用にカスタム可能。卓上型、手持ちのポータブル、
設置スペースを取らない壁掛け式と使い方もさまざま。
上の画像をクリックすると製品の詳細をご覧いただけます↑


温度計や酸度計にご興味ある方も多いです

チーズ製造では温度管理も重要ですので、pH計と併せて温度計もご検討いただく方が多いです。温度計一覧ページの温度テスターがオススメ。手軽に使える小型タイプとしては高精度がウリです!(特にHI 98501、HI 98509、HI 98539)
また、一部の方向けにはなると思いますが、<乳製品用>酸度滴定器もあります。精度、信頼性の高い自動滴定器でありながら抜群のコストパフォーマンスを実現。
チーズや乳製品のpH測定はもちろん、測定に関わることあればお気軽にご相談ください。製品のご案内はもちろん、ハンナ・ジャパンではご購入前やご購入後のサポートに力を入れています。(メールやお電話でのお問い合わせはこちら


おまけ。チーズ買いました。

せっかくなので、フロマージュ・デュ・テロワールさんでチーズを買いました。伺った時には15種類ぐらい並んでいました。金賞を受賞したドームはなかったのですが、同じ製法のクールというものがあります。


左のハート型のものがクール。12月~3月の冬季限定品です。
まろやかで食べやすく、くせはありません。かわいい形なので
バレンタインの時期にもオススメとのこと。個人的には男性から
女性にあげるのにも良いなぁと。右の写真はフロマージュ・ブラン。
ヨーグルトに似た柔らかい食感が特徴です。プレーンのほか、
ブルーベリーやハーブ&ガーリックなど種類も豊富です。


今回買ったのがこの2つ↑。1つはフロマージュ・イーヴルというもの。(左)
ワインを絞った後の葡萄に浸け込み風味を移してます。(写真で黒っぽく見えるのが葡萄)
フランス語で「酔っ払いチーズ」という名前の通り、ほんのりアルコールの
香りがあります。個人的にはチーズと葡萄を一緒に食べても美味しいなと。
もう1つはフロマージュ・ブランのプレーン。いつも無糖のヨーグルトを
食べている我が子にぴったり。まだ1歳過ぎで言葉を話せないですが、
パクパク、パクパク食べてたので美味しかったのでしょう。

最後に。これらのチーズは東京都の特産品イベントを除き、青梅市の店舗でしか目にすることができませんが、オンラインショッピングでご購入いただけるようです。チーズ好きの方やご興味持たれた方はチェックされてみてはいかがでしょうか。


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