※本記事はハンナ インスツルメンツ アメリカ本社の情報を引用し編集しています。
塩素の分析は、アクアリウム、水産養殖、観賞魚用の養魚池、水生生物を飼育するあらゆる施設、環境において非常に重要です。塩素、クロラミンなどの測定は生体の健康状態を把握するために重要です。塩素濃度が水生生物にどのように影響するか、以下で説明いたします。
塩素について
塩素は強力な酸化剤であり、魚や水に生息する生体に対して有毒です。多くの場合、遊離塩素、結合塩素、および全塩素として存在します。遊離塩素は次亜塩素酸（HOCl）と次亜塩素酸塩（OCl-）イオンで構成され、結合した塩素は水源を消毒するために使用されます。全塩素とは、遊離塩素と結合塩素の合計を指します。
水中の遊離塩素はROフィルター（逆浸透膜）に有害であり、使用前に水源から除去されいてるかどうかを確認する必要があります。塩素は、バクテリアの抑制や殺菌のために、多くの水道水に添加されています。一部の自治体では、同じ目的でクロラミンを使用しています。
クロラミンは塩素とアンモニアの組み合わせです。クロラミンは塩素と比べて殺菌力は弱いですが、残留時間が長いのが特徴です。塩素は微生物、細菌、潜在的な病原体を殺菌するために使用されますが、微量に存在すると魚や無脊椎動物に致命的な影響を与える可能性があるので注意が必要です。
塩素濃度
一般的に水道水の塩素濃度は0.1～0.4ppmと言われています。塩素は強力な酸化剤であり、濃度が0.1～0.3ppm程度でもほとんどの魚・生体に致命的な影響を与える可能性があります。アクアリウムなどでは濃度を0.001～0.003ppm以下に維持するのがベストです。塩素は強力な殺菌剤であるため、水中またはろ過システム中の多くの有益な細菌（バクテリア）が、塩素によって死滅する可能性があります。
塩素濃度が高いと魚は水からの飛び出したり、多動が見られ、尾やヒレ、口の痙攣などを引き起こし、塩素への過剰な反応・症状を示すことがあります。
魚が0.3ppm以上の塩素に晒されると、呼吸困難、窒息、場合によっては亡くなってしまうケースもあるので注意が必要です。
pH6～7では、次亜塩素酸（HOCl）がより優勢であり、最も毒性が高い形態です。水のpHが7を超えると、次亜塩素酸塩イオン（OCl-）が多くなり、HOClに比べて毒性が低くなります。
塩素は強力なエアレーションや活性炭を使用することで水から除去できます。また24～48時間後に自然放出されるの塩素除去に有効です。チオ硫酸ナトリウムは塩素を簡単に中和しますが、その場合クロラミンは除去が難しいです。
クロラミンは揮発性が低いため塩素に比べて除去が難しい場合があります。魚に対する毒性はクロラミンの方が強く、クロラミンを無害化する水質調整剤にはヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムが使用されます。クロラミンを分解しアンモニアを毒性の低いイオン化したアンモニウムに変化させます。
塩素測定器
魚などの水生生物の健康を確保するために、ハンナ・ジャパンではさまざまな製品を取り揃えています。一般的な測定方法に試験紙や化学試験キットで行うパターンがありますが、試験紙は不正確で汚れやすいため理想的ではありません。化学検査キットは、色の変化を測定するため見る人の目に依存する可能性があります。
ハンナ・ジャパンのデジタルチェッカーは、シンプルな化学テストキットと専門的な測定器の間のギャップを埋める測定器です。
0.00～2.50ppmの範囲で水中の遊離塩素濃度を測定します。ボタン一つの簡単操作で数値がパッと表示されるので、測定器に馴染みが無い方でも安心して使用できます。
⇒ HI 701デジタル残留塩素チェッカー（遊離塩素）の詳細はこちら
デジタル残留塩素チェッカー（全塩素）
0.00～3.50ppmの範囲で水中の全塩素濃度を測定します。ボタン一つの簡単操作で数値がパッと表示されるので、測定器に馴染みが無い方でも安心して使用できます。
⇒ HI 711デジタル残留塩素チェッカー（全塩素）の詳細はこちら
デジタル残留塩素チェッカー（超低濃度全塩素）
0～500ppbの範囲で水中の全塩素濃度を測定します。海水や淡水生物に影響を与えるような微量な塩素が水中に存在しないことを確認することができます。
⇒ HI 761デジタル残留塩素チェッカー（超低濃度全塩素）の詳細はこちら
チェッカーを組み合わせて使用することで様々な塩素濃度を監視でき、アクアリストや水産養殖業に従事される方は確信をもって塩素濃度を確認できます。
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