サンゴ水槽におけるアルカリ度とカルシウムをモニタリングする重要性

reefphosphate アプリケーションノート

※本記事はハンナ インスツルメンツ アメリカ本社の情報を引用し編集しています。

アルカリ度とカルシウムの役割

アルカリ度とカルシウムは、すべての海洋生物における重要な指標であり、サンゴにとってはより重要です。アルカリ度は、酸や塩基が導入されたときにpHが変化しないようにする緩衝能力です。
海水水槽のpHは通常7.8~8.4の範囲で安定し、海のpHは8.1とされています。安定したpHはサンゴや魚の生態にとって非常に重要で、わずかなpH変動でもストレスを感じ、最悪、死に至らしめる可能性があります。

pHを安定させる

アクアリウムでpHを安定させることは難しく、定期的に検査と調整が必要です。水槽内のアルカリ度は生体の排泄物がアンモニウム(NH4+)の形で排出されます。水槽のpHが高すぎると、アンモニウムはアンモニア(NH3)に変化し、低レベルでも魚にとって有毒となります。
海水水槽におけるアルカリ度は、主に重炭酸イオン(HCO3-)炭酸イオン(CO32-)の形をしています。
もし酸(H+)が導入されると重炭酸イオンは酸と反応し、以下の式のように水と二酸化炭素を生成します。
HCO3-+ H+ H2CO3 H2O + CO2

塩基(OH-)を導入すると、重炭酸イオンは塩基と反応し、以下の式のように水と炭酸塩を生成します。
HCO3-+ OH- CO32- + H2O

どちらの場合もpHは変化せず緩衝された状態となります。アルカリ度には多くの溶存イオンが関与しているので、一貫性を保つためにアルカリ度の測定値はCaCO3の単位で表されています。

サンゴ水槽では、重炭酸イオンと溶存カルシウムイオンがサンゴによって消費され、サンゴの炭酸カルシウム(CaCO3)外骨格が形成されます。サンゴの健康と成長には、アルカリ度とカルシウムの比率が重要であり、アクアリストは重炭酸イオンとカルシウムイオンが消費されるたびにそれを追加できるよう、厳密に監視する必要があります。
海のアルカリ度は 125 ppm CaCO3 で、海水水槽では 125 – 200 ppm CaCO3 を推奨し、海のカルシウム濃度は 420 ppm Ca+2 で、水槽では 380 – 450 ppm Ca+2 を推奨しています。

アルカリ度とカルシウム測定

ハンナ・ジャパンでは、サンゴや魚をを守るためにアルカリ度やカルシウム測定器を取り扱っています。下記で紹介する測定器は、シンプルな化学テストキットとプロ用計測器とのギャップを埋めることができます。ボタン1つの簡単操作で数値がパッと表示されます。

デジタルアルカリ度チェッカー
0.0~20.0dKHの範囲で海水または淡水中のアルカリ度を測定します。
デジタルアルカリ度チェッカーの詳細はこちら


デジタルカルシウムチェッカー
200~600ppmの範囲で海水中のカルシウムを測定します。
HI 758デジタルカルシウムチェッカーの詳細はこちら


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