【新型コロナウィルス対策】次亜塩素酸ナトリウム消毒液の利用

次亜塩素酸水・新型コロナウィルス関連

新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐべくアルコール消毒液が利用されていますが、それも不足している状況です。
そんな中、次亜塩素酸ナトリウムを希釈した消毒液の利用が増えています。ニュース番組でも「次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使ってドアノブなど共用部の表面を消毒している」という事業者の声を紹介していました。
※2020年6月26日、新型コロナウィルスに対して「次亜塩素酸水」も有効と発表されました。それに関する最新の記事:新型コロナウィルスに対して次亜塩素酸水は「有効」も併せてご覧ください。


l有効とされる次亜塩素酸ナトリウム消毒液の濃度は?

厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」では、

トイレ、洗面所、浴室など共用する場所においてはドアの取っ手やノブ、ベッド柵にウイルスがついている可能性はあります。0.05%(500ppm)の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。
トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%(1000ppm)の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。

という旨、また国立感染症研究所の「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理」では、

・医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコールあるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。
・高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、自宅等において、患者が発生した際、大がかりな消毒は不要であるが、長時間の滞在が認められた場所においては、換気をし、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコールあるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。また、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後のトイレは、次亜塩素酸ナトリウム(1,000ppm)、またはアルコール(70%)による清拭を毎日実施することを推奨する。

という旨を表記しています。
以上より、企業や事業者の日々の予防対策としては、
不特定多数が利用・共用する場所においては0.05%(500ppm)の消毒液をペーパータオルなどに含ませ吹いた後、水拭きするかアルコールで拭く。
ということになるかと思います。


l消毒液を作って濃度測定してみました

みなさま、すでに行われているかもしれませんが、ハンナでも0.05%(500ppm)の消毒液を作って濃度の確認をしてみました。


1Lの水に次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤(塩素濃度約5%)を用意。
ペットボトルのキャップ2杯分(約10ml)を水に加え軽く混ぜる。
実際の現場での使い方に沿うように、容量は正確には採っていません。
(塩素濃度約5%というのも0.1%変わるだけで塩素濃度は変わりますので)
あくまで一般的な方法で数値がどうかを検証します。


まずは500ppm以上であろう消毒液を測定。
超高濃度用試薬を添加すると黄色から褐色のような色になります。
結果は・・・500の点滅(オーバーレンジ)でした。予想通りです。
ハンナの残留塩素計では500ppmが測定範囲の上限なので、それ以上の
表示はできません。500の点滅は測定エラーとなりますが、
少なくとも500ppm以上ということにはなりますね。


次に水(精製水)で2倍希釈。濃度を1/2に薄めてみます。
さっきより試薬添加後の色が薄くなってます。結果は・・・320ppm。
2倍希釈すると測定精度も2倍にはなりますが、単純に考えると
この消毒液は塩素濃度が640ppm (0.064%) ぐらいということになります。


念のため、再度2倍希釈で測定し310ppm。測定値としては許容内です。


試薬を添加した消毒液の色の濃さを比較してみました。
濃度が倍違うのでさすがに目視でもわかります。


lそして1日半後の塩素濃度は?

塩素は時間経過や保管環境で飛ぶ(抜ける)ため適切な濃度を維持しないと効果が落ちる(なくなる)わけですが、実際に濃度の変化はどうなのか?も試してみました。


消毒液を作成後、2倍希釈(濃度1/2)の数値が310や320ppmでしたが・・・
1日半経ち、同様に2倍希釈した数値は290や300ppm。単純に考えて、
塩素濃度:620ppm~640ppm (0.064%)580ppm~600ppm (0.06%)
落ちたということになります。


l濃度管理の重要性

前回の新型コロナウィルスに次亜塩素酸ナトリウムは有効?でも書きましたが、特に企業や施設などの事業所では消毒液として有効な塩素濃度を維持・確認することはとっても大切です。
ハンナでは手軽に低価格で手に入る残留塩素チェッカーをご用意しています。


ジアチェッカー HI 771
数十ppmの電解水や200ppmの次亜塩素酸ナトリウム消毒液の濃度確認として
使用されます。実際、先月(2020年2月)以降にお問い合わせが急増しており、
ウィルス感染症の予防対策として必要とされています。
上のチラシ画像をクリックすると製品ページをご覧いただけます。


ちなみに、今回の測定で使用したのはワンランク上のHI 96771です。


基本的な用途は同じですが、低濃度域もしっかり測定できるため
レジオネラ症予防のための残留塩素測定にも使えます。
(浴槽水中の遊離塩素を0.2~0.4mg/Lに保つことが望ましい)
さらに、校正機能があるため安心です。お客様自身でいつでも
数値の検証・校正が行え高い信頼性を維持ます。
上のチラシ画像をクリックすると製品ページをご覧いただけます。


l衛生管理と塩素消毒

衛生管理ではアルコール消毒や熱での殺菌など様々ありますが、塩素での消毒・殺菌も非常に多くの現場で利用されています。
ハンナの残留塩素計は病院、ホテル、温泉、プール、保育園、学校、ビル管理など全国の数多くの事業所や施設で日々使用されています。

衛生管理は日々の積み重ねがすべてですので、いま一度、有効な残留塩素の濃度管理を意識することが大切なのではないでしょうか。


この記事の関連ページ
ハンナの残留塩素計たち(いろいろとお役立ち情報あります)
・以下は関連のチラシです。
(クリックするとPDFでご覧いただけます。印刷物でのご用意はないため印刷してご利用ください。)