残留塩素計の選び方って?

残留塩素

ハンナで残留塩素計は長年に渡り人気の製品です。今、この瞬間にも日本のどこかで活躍していると言っても過言ではありません。そんな残留塩素計、「どれを選べばいいの?」というお問い合わせも多いので、今回は選び方のポイントを3つ、ご案内します。

1:知りたいのは塩素がちゃんと残っていること?それとも残っていないこと?
2:チェックする残留塩素の種類は?遊離塩素 or 全塩素?
3:知りたい残留塩素の濃度は?

早速、1つ目のポイントから見ていきましょう。


1:知りたいのは塩素がちゃんと残っていること?それとも残っていないこと?

言い換えれば殺菌・消毒効果のために残留塩素が一定量あるか、それとも塩素がない(限りなく少ない)ことを知りたいのか、で分かれます。イメージしやすいように実際のお客様の用途をいくつかご紹介しましょう。

水道水
水道法により、遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持するように塩素消毒をすること。また目標値は1mg/L以下とされています。(塩素が残っていることを確認)

プール
遊泳用プールの衛生基準により、遊離残留塩素は0.4mg/L以上であること。また1.0mg/L以下であることが望ましい。(塩素が残っていることを確認)

お風呂(循環式浴槽)
循環式浴槽の管理方法では、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を1日2時間以上0.2~0.4mg/Lに保つことが望ましい。(塩素が残っていることを確認)

野菜など食品の消毒・洗浄
希釈した次亜塩素酸ナトリウム(100ppmや200ppm)の濃度管理として。(塩素が残っていることを確認)

ノロウィルス防止のための殺菌・消毒液
希釈した次亜塩素酸ナトリウム(200ppmやそれ以上)の濃度管理として。(塩素が残っていることを確認)

純水、精製水、脱イオン水など
逆浸透膜を通した水、ろ過した水は塩素も除去し含まれていないことが望ましいです。(塩素がないことを確認)

透析用水
透析液の水質基準では、総残留塩素は0.1mg/L未満と規定されています。(塩素が限りなく少ないことを確認)


2:チェックする残留塩素の種類は?遊離塩素 or 全塩素?

実は残留塩素には種類があるんですね。ご存じない方のためにご説明を。
残留塩素は、①遊離塩素(遊離残留塩素)と②結合塩素(結合残留塩素)に分けられ、2つをあわせて③全塩素(全残留塩素=総残留塩素)と呼びます。

遊離塩素 + ②結合塩素 = ③全塩素

簡単にですが①②③について。
遊離塩素:次亜塩素酸を主とし、強い酸化力により殺菌・消毒力が強いのが特長。水道水やプール、お風呂など殺菌・消毒効果のある残留塩素濃度を確認する場合、主に遊離塩素を測定することが多いです。
結合塩素:遊離塩素がアンモニアなど化合物と結合し形成されるもの。遊離塩素に比べ殺菌・消毒力は劣ります。
全塩素:遊離塩素と同様に殺菌・消毒効果の確認としても測定されますが、一方で純水や病院の透析用水などでは不純物がない(限りなく少ない)ことを確認しますので全塩素を測定します。

3:知りたい残留塩素の濃度は?

ポイント1と関連しますが、残留塩素の濃度を維持、管理、確認する場合には基準値があるはずです。ハンナでは用途(測定範囲)に合わせていくつか製品をご用意していますので、知りたい濃度から最適な機種を選ぶこともできます。


lとはいえ、よくわからない時には?

今回は測定器の性能には触れず、シンプルに3つ選び方のポイントを書きました。とはいえ、特に初めての方は不安に感じることもあるはずです。そんな時にはお気軽にご相談ください。やはり使い方を伺いご案内させていただくのがベストですので。
ハンナのホームページでは【こういった用途で使われています】という具体的な用途を書いてます。実際に残留塩素計を使用されている方の用途をまとめてますので、多くの方は当てはまるはずです。
こういった情報も参考にしつつ、ご不明な点がありましたらお電話でもメールでもお気軽にお問い合わせください。

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一言メモ:残留塩素と塩素イオンは違いますよ。

たまにお問い合わせあるのでご案内を。残留塩素(Cl2)と塩素イオン(Cl-)は違うものです。塩素イオンは塩化物とも言われ、測定器も異なりますのでご注意ください。⇒ 塩化物(塩素イオン)の測定器はこちら