【基礎】水槽の温度を一定に保ち、生体を守りましょう

アプリケーションノート

 水槽の温度はアクアリストがテストする最初のファクターであり、生体の健康を維持するために重要で、生体の種類によって生息する水温は異なります。サンゴ水槽、金生体、または熱帯淡水生体を飼育しているかどうかにかかわらず、温度を確認して維持することはマストです。

なぜ水槽の温度を監視するのか?

 水槽の温度は生体の健全な代謝機能を維持するために重要です。ほとんどの生体は(体内の温度を調節しない)恒温動物であり、水槽の環境に依存しています。

 恒温動物は決められた温度範囲内で生息できるため、適切な範囲外の水槽温度は問題を引き起こす可能性があります。不適切な水槽温度は、不十分な成長、呼吸困難や心臓麻痺、場合によっては死に至ることもあります。

 水槽の温度が急に下がると生体の免疫システムを傷つけ病気になる危険性が高まります。水槽の温度が急に上がると代謝活動が活発になり、呼吸器系にショックを与え、サンゴが白化する原因にもなりえます。

 また特定の寄生虫は特定の温度帯で増殖します。このため生体が病原体と戦っているときは、水槽の温度をテストすることが特に重要になります。

 水槽に最適な水温を知ることは、生物がどこから来たのか、以前の環境はどうだったのかなど、様々な要因に左右されます。

水槽の最適温度

 家庭用水槽の生体の多くの種は、約4.4〜26.7℃の温度で生息します。海水サンゴは約24.4-28.9℃の水槽温度で成長するように、非常に狭い温度範囲で生きる生物もいます。

 淡水水槽の場合、水温の範囲は飼育する生体種によって異なります。 南米産のディスカスは約26.7-30.0℃の水温が必要ですが、一般的な熱帯淡水の生体、例えばタイガーバーブは約24.4-26.7℃が一般的です。
 

新たな生体を水槽に慣らす

 家庭の水槽に生体を導入する場合、水合わせ(馴化)は誰もが従うべき重要なステップです。馴化とは生体やサンゴ、無脊椎動物をゆっくりと新しい水槽に導入し、水槽の水に慣らすことです。

 水の化学的性質の違いは生体にストレスを与える可能性があります。順応させる生体の感受性によってプロセスは異なります。

 一般的に新しい水槽の生体は水の入った袋や容器に入れられます。新しいペットを慣らすには、袋を水槽に浮かべます。こうすることで、袋の中の水がゆっくりと水槽の水温に馴染んでいきます。

 適切な馴化を行うために、正確なデジタル温度計を使用し水槽の水温と袋や容器の中の水温の両方を注意深く監視してください。馴化中に急激な上昇や下降が起きると生体にストレスを与えます。

※水温だけでなく、水質の変化にも慣らすには、新しい生体を入れた袋に水槽の水をゆっくり加えていきます。これは種類によって15分から60分かかります。馴化の点滴法は、敏感な生物やサンゴ礁水槽に生息する生物によく用いられます。

器具が水槽の温度に与える影響

 水槽には温度に影響を与えたり、温度をコントロールする機器がたくさんあります。ヒーターはしばしば必要な部品ですが、ヒーターが設置されていても温度の監視は必要です。ヒーターは月日が経つと故障し、水槽の温度を劇的に上げたり下げたりしてしまいます。

 さらに高出力のライト、ポンプ、ろ過装置などはすべて熱を発生させる可能性があります。水槽用チラーを使用することで、水温の上昇を抑えることができます。

 水温に影響を与える機器は非常に多いので、正確な温度計を使って水温の変化をモニターするのがベストです。

水槽の温度を監視する方法

 水槽の温度を監視するためにいくつかの方法があります。多くのヒーターは温度設定を内蔵していますが、これらは故障のリスクもあるため、またガラス温度計は壊れやすい、安価なデジタル温度計は多くの場合、内蔵キャリブレーションを持っていません。

 最も正確な温度測定を行うために、ハンナではChecktempデジタル温度計のラインナップを取り揃えています。ケーブルの長さやプローブの種類も様々で、プロ用から家庭用まで、どのようなタイプの水槽にも高精度の温度計があります。また塩分モニターはpHと塩分に加えて温度をリアルタイムで監視できます。