世界からみた”日本”の水産養殖産業

水産養殖・アクアリウム
水質測定器メーカー ハンナ インスツルメンツ・ジャパン
世界からみた日本の水産養殖産業をみていき、水質測定器メーカーのハンナ インスツルメンツ・ジャパン(以下ハンナ・ジャパン)が水産養殖業界でどのように活躍しているのかをご紹介いたします!
世界45か国で展開する水質測定器の専門メーカー
ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社

世界の水産養殖


 世界の水産物供給量の約50%以上が養殖によるものであり、養殖は私たちの食文化を支える上で今後も成長が見込まれている重要な産業の一つです。
さて、水産養殖生産量が世界1位の国をご存じでしょうか。それは世界最大の水産物生産国の”中国”です。32年連続で1位に輝き、世界の食糧安全保障に大きく貢献しています。

1位 中国(75,388,639トン)
 中国は長年、水産養殖生産量1位を占め続けており世界全体の半分以上を占めています。長年にわたり1位の要因は、広大な水資源や政府の支援、遺伝子改良などの技術革新が大きく関わっています。
国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、中国で漁獲・生産される魚種の4割を占めるのが「その他の水産物」。これは、世界的に一般的ではない水産物を指します。また「種類が特定されていない海産魚類」も2割を占めており、なにを漁獲・生産しているのかわからない、正確な生産実態が不明な状況が問題となっています。

2位 インドネシア(14,633,869トン)
 インドネシアでも養殖業が伸びており、漁業生産量の半分以上が養殖によるものです。インドネシアでは主にエビの養殖が盛んで、日本のエビ輸入の15%はインドネシアからです。インドネシアにおけるエビ養殖は通常淡水と海水が混ざり合う汽水域と呼ばれる地域で盛んに行われており、養殖池を設置する場所が多いことがこの生産量の要因といえます。一方で汽水域にはマングローブが生い茂っており、エビの養殖池を設置するために大量のマングローブが伐採されていることが環境問題に悪影響であると指摘されていることも事実です。

3位 インド(10,235,300トン)
 インドの水産養殖産業は主に淡水域で行われており、約70%が淡水魚です。特にコイ科の魚(ロフコイ、シルバーコイ、グラスカープなど)が養殖されています。エビ類の養殖にも力を入れており、バナメイエビは輸出向けに養殖されておりインドは世界有数のエビ輸出国でもあります。また、インド政府は水産養殖産業を「ブルーエコノミー」の一環として推進しており、補助金や技術支援を行っているため今後更なる発展が期待されます。

14位 日本(942,560トン)
 日本の水産養殖生産量は減少傾向にあり、世界ランキングでも順位を下げています。1980年では世界1位の生産量でしたが、現在では14位の位置まで落ち込んでいます。この背景には、他国の成長と日本の少子高齢化が深く関係しています。
次項で日本の水産養殖産業について詳しく見ていきましょう。

参考資料: グローバル ノート
※2022年データ

日本の水産養殖


 日本では昔から漁業と水産養殖が重要な産業として発展してきました。海洋資源を利用した生活文化が根付いており、現代の水産養殖産業は自然環境を活用した伝統的な技術と近代的な化学技術が融合しています。
他国ではナマズやコイなどの淡水魚養殖で大量生産・低コストが特徴なのに対して、日本では高品質な生産ブランド力が特徴です。「戸井マグロ」「豊後ブリ」など、産地ごとにブランド化をして、生産者のこだわりや給餌、厳格な水質管理を強みに世界と戦っています。
また、1980年から比べて国内水産従事者は3分の1まで減少。近年では大手企業が参入しIoTシステムの導入や環境保護、持続可能性への取り組みを進めています。

「IoT水質監視システム」
 センサーを設置し水温や溶存酸素、pH、塩分濃度などをリアルタイムで遠隔監視。異常が検知された場合のアラーム機能やデータ推移の確認を容易に行えるため、省人化や手間を削減し作業効率の向上が実現しました。

「スマート給餌システム」
 AI搭載のカメラとセンサーを活用し魚の行動データを解析、給餌のタイミングや量を自動調整し最適なエサやりを実現。
これにより、魚の成長が均一になり高品質な出荷が可能となりました。

国際競争力

 日本が世界と競争していくためには持続可能な養殖の推進を進めていく必要があります。その取り組みの1つとしてASC認証という責任ある養殖を示す国際認証を取得しており、持続可能性に重きをおいた養殖を目指しています。
また、ホタテやブリ、マグロなどの高級魚介類は海外市場で高い評価を受けており、今後も海外市場への輸出戦略を強化し高級志向の市場(アメリカ・ヨーロッパ・アジア)への輸出拡大に力を入れていく必要があります。

参考資料: 新しい飼料基準で養殖業界の抱える重要な課題に取り組む|ASC Japan

課題と展望

 労働力不足と高齢化が激化している中で、IoT・AIを活用したスマート養殖の推進や、海洋環境に依存しない閉鎖循環式養殖システムの発展が今後の鍵となるでしょう。
また、政府による水産養殖産業への補助金や技術開発支援の拡充も重要になってきます。
⇒ 補助金、支援について:水産庁

ハンナ・ジャパンにできること

製品紹介

ここまで日本の水産養殖産業について触れてきました。ハンナ・ジャパンは水産養殖産業における水質管理の部分で活躍しており、魚が最適な環境で育つようにpH/ORPをはじめ溶存酸素、塩分濃度などを管理・監視する測定器を取り扱っています。ハンナ・ジャパンでは水産養殖の展示会にも出店しており、その中でご来場のお客様にも大好評だった、現場で活躍中の3製品をPick Upしてご紹介いたします!

投げ込み式の水質計
蛍光式DOセンサーを採用した、投げ込み式のpH/EC・塩分濃度/溶存酸素/濁度計。1本の電極にpH/ORPセンサー、EC/濁度センサー、DOセンサーを接続し同時に測定。野外使用に対応した頑丈な防水型で、データ保存やBluetooth®でスマートフォンへのデータ転送も可能。
投げ込み式多項目測定器(HI 98594)の詳細はこちら


海水用吸光光度計/マリンマスター
水産養殖における海水分析に特化しており、アンモニア・亜硝酸態窒素・硝酸塩・pH・アルカリ度・カルシウム・マグネシウム・リン酸塩をこの1台で測定できます。
自動保存だけでなく、Bluetooth®機能に対応しているので、項目・水槽毎に数値/グラフ化が可能です。スマートフォンやタブレットへのデータ送信が行えます。
マリンマスター(HI 97115)の詳細はこちら


水質モニタリングコントローラー
水質管理を遠隔監視で行えるIoT製品です。pH/ORP/塩分濃度/溶存酸素を常時監視しデータをModbusデジタル高速通信・遠隔管理可能。最大5点のリレー接点と4-20mA アナログ出力にも対応しています。
水質モニタリングコントローラー(HI 520)の詳細はこちら


pH、塩分濃度、温度、溶存酸素計のほかアンモニア、硝酸、亜硝酸、リン酸、銅、オゾンなどもラインナップ!
水産養殖向けの測定器一覧
水産養殖カタログ

⇒ ブログ記事:ベトナムでのエビの養殖
⇒ ブログ記事:基礎から学ぶ陸上養殖とバクテリアの関係
⇒ ブログ記事:陸上養殖とは

サービス

ハンナ・ジャパンでは、測定器を選ぶ・使う上で安心していただけるよう、常により良いサポートを目指しています。測定器ご利用中の点検・メンテナンスサポートをはじめ、製品選定でのお困りごとなどにも丁寧にスピーディーに対応いたします。

ご不明点やご相談などがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
お電話もお待ちしております。(TEL:043-216-2601)
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