【測定してみた】東京湾の海水の塩分濃度は低め!?

養殖、環境調査、バラスト水の検査などでは海水の塩分濃度を測定します。ハンナでも数滴垂らして約1.5秒で測れる屈折計や電極を海にドボーンと投げ込んで測定するタフ&ワイルドな製品をご用意しています。今回は会社付近の「東京湾の海水」と私が釣りに行った時に採ってきた「大分県佐伯市の蒲江港」の海水の塩分濃度を測ってみました。

そもそも海水の塩分濃度ってどのぐらい?

約3.5%と言われます。実際には地球上の様々な観測地点により3.1~3.8%ぐらいのばらつきはあり、必ずしも一定ではありません。これは気温、海水の蒸発量の多さ、降水量、河川の流入、地形による海水の撹拌などの影響を受けるためです。ちなみに、塩分濃度の高い外洋の代表は「紅海」、塩湖では「死海」が有名ですね。

紅海
エジプトやサウジアラビアに面した湾。塩分濃度は4%前後。海水の蒸発量が多く、河川の流入がほとんどないのが影響。
死海
イスラエルとヨルダンに接する塩湖。塩分濃度は約30%(海水の8倍以上!?)死海からは流出する川がなく、比較的高温で乾燥した気候、水の蒸発量が多いことが影響。湖水の比重が大きく浮力も大きいため、人が入っても沈まずに浮く。死海(Dead Sea)という名称は塩分濃度の高さからほとんどの生物が生息できないことに由来。

日本ではこういった環境はないため、馴染みのない方は今回の測定結果に驚くような差を感じないかもしれません。ただそれでも「ふーん、そうなんだー」と思っていただけるはずですよ。

海水の塩分濃度の単位

結果発表の前に塩分の単位について。
海水の塩分の単位にはPSU(Practical Salinity Unit:実用塩分単位)が用いられます。海洋学では絶対塩分という質量に対する千分率:‰(パーミル)またはpptが用いられてきましたが、現在は電気伝導度(EC)から換算し指標として表わすPSUが一般的です。ちなみに、絶対塩分と実用塩分は正確に言えばイコールではないですが、その値に大きな差はないと言われます。国際的な単位ということもあり、ハンナ製品も基本的にはPSU表示です。

~ 結果発表 ~

①東京湾の海水:31 PSU(≒31‰、3.1%)
 ※採水地は千葉市美浜区。千葉ロッテマリーンズのZOZOマリンスタジアム付近
②大分県佐伯市の蒲江港:34.6 PSU(≒34.6‰、3.46%)

約1.5秒で測れる屈折計での測定値(精度:±2 PSU)

電極を投げ込める多項目測定器での数値(蒲江港の海水)

これらの結果から・・・

大分県佐伯市の蒲江港の塩分濃度は特に気になる数字ではないですね。一方、東京湾(採水地は千葉市美浜区)の海水は少し低めかなという印象です。天候や時期により塩分濃度は多少異なりますし、この場所が何らかの原因で低かった可能性もあります。東京湾と言っても千葉、東京、神奈川に面しているわけだから、採水場所を変えれば異なるだろうとか。もちろんそれはありますが、海洋調査でも「東京湾の塩分濃度は低め」と考察されています。

その理由とは?

河川の流入と言われています。東京湾には多摩川、隅田川、荒川、江戸川など多くの河川水(淡水)が流入します。流入量が多ければ海水の塩分濃度は低くなります。また一般的には、河口部や湾奥(湾の内側)から湾口(湾の出入り口)に向かうにつれ塩分濃度は高くなります。今回は千葉市美浜区で採水していますが東京都内の河口部だともっと低くなるはずです。(実際に30 PSUを下回る結果も出ているようです)

今回、海水の塩分を測定したのは私たちです

屈折計
海水の塩分用。屈折計と言うと糖度計が人気ですが、実はいろいろ種類あり。測定部に海水を数滴垂らし、ボタンを押すと約1.5秒で測定値を表示。温度補償もあり。PSUのほかにppt、比重、温度も表示可能。手軽に素早く測れとっても便利!

測定は簡単!精製水でゼロ校正した後、海水を垂らしてボタンを押すだけです。
(上の画像をクリックすると製品ページへ)

電極投げ込み式の多項目測定器
1本の電極にpH/ORPセンサー、ECセンサー、DOセンサーなどを接続し、ドボーンと投げ込み測定。同時にいろいろ測れちゃう優等生。河川、湖沼、養殖などの水質検査で人気!本体も電極も野外使用に対応した頑丈な防水型。測定値は継続的に本体に保存でき、それらをPC接続で転送可能。さらに、コストパフォーマンスも・・・

投げ込む時には頑丈な保護キャップを装着。それでも電極自体は直径5cm未満という驚きのスリムさ。操作性はバツグン!(上の画像をクリックすると製品ページへ)

今度は溶存酸素を

今回は海水の塩分濃度についてでしたが、DO(溶存酸素)もやりたいなーと思ってます。あと排水向けのお問い合わせも多いので、工場排水も関連させるとおもしろいのかなと。とにかく、今後もご興味を持っていただける内容を目指して書いていきますので宜しくお願いします。

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