【第一弾】0円海水水槽チャレンジ!! ◎立ち上げ編

水産養殖・アクアリウム

今回の企画【0円海水水槽チャレンジ】はアクアリウム初心者が予算0円で完成を目指していく物語です。
皆さまから頂いた物や元々持っている物などを利用し、なるべく天然素材とお下がりで頑張っていきます!いわゆる他力本願水槽です。(笑)
綺麗なサンゴやカクレクマノミなど海水水槽にチャレンジしたいけど高いしな、、失敗したくないな、、と思っている方必見です!
アクアリウム初心者の無謀な挑戦を、どうか温かい目で見守ってくれたら嬉しいです!

担当者写真
今回0円海水水槽にチャレンジする
ハンナジャパンの内山です!

趣味で淡水アクアリウムを1年ほどやっていて海水水槽に憧れを持っていたところ、始めるチャンスが巡ってきたので挑戦を決意しました!

l始めたきっかけ

私の上司が社内で海水水槽を管理していて、(せっかち女子の海水水槽)良いなぁ、、きれいだなぁ、、やりたいなぁと眺めていたら、社長から一言「使わない水槽とかあるからやってみたら?条件は予算0円で」と提案され、この企画がスタートしました!
内心は、ほんとに予算0円で憧れの海水水槽できるのか!? 水質管理の大変さや費用がかかることは近くで見てきたぞ!? など思っていました。
しかし社長からのお下がりの品々で初期装備はだいたい揃いました(笑)

【社長からのお下がり品】
60cm水槽外部フィルター(ろ材2袋)ホースライトプロテインスキマー2個水槽台
基本的に必要な道具は揃った気がする(笑)

外枠は用意ができたので、次は中身の調達です!


l海水、低床、ろ材の採取 九十九里浜へGO

予算0円なので中身の部分はなるべく天然素材で立ち上げていきます。
今回、採取する場所に選んだのは千葉県にある九十九里浜です!
東京湾のように閉鎖的な海域と比べて海洋に面している事と、大規模な工場地帯などが無いため人工的な汚染が少なく水質が安定していると予想しました!
海水採取や組み立ての様子は Instagramをチェック!

海水採取
ウォータータンクを持参し海水を合計90リットル汲み、塩分比重を測定。
ハンナジャパンの塩分テスターで測定すると1.024 S.G. 水温17.4℃

海と車の往復が夏に向けての良いトレーニング(笑)
低床採取
天然の砂をそのまま水槽に入れれば、既存のバクテリアを活用できるのではと思い、波打ち際の土をバケツ一杯に採取。

小さい貝がちらほらいたがそこまで気にせず、むしろ貝って水をきれいにするって聞いた事あるのでそのままに。
ろ材作成
貝殻にはバクテリアが定着するらしく、浜辺を探索し貝殻を採取。貝殻をハンマーで砕き外部フィルターのろ材へ。

水道水で洗浄後ハンマーで砕き、ネットに詰めてろ材の完成。

天然素材の採取ができたので、あとは水槽やフィルターを設置して立ち上げです!


l組み立て~立ち上げ(1回目)

水槽やプロテインスキマー、外部フィルターを洗浄し、ラックを組み立てて取り付けたら準備完了です。
ホースなどは繋げてあったので、組み立てはスムーズにいきました。


九十九里浜の砂と海水を投入していきます。土を採取したときにはあまり目立たなかった小さな貝たちが、どんどん土の中から出てきました。

写真左:投入時                  写真右:投入1日後

【1日経過後の気づき】
●投入時(写真左)は透明度が高く一見順調にみえるが、投入1日後(写真右)は水槽内が濁っていて、貝も増えている。(砂の中に貝が隠れていたのかも)
●右の写真を見ると貝は左側に集まっているので、足移動(筋肉質の突起を使って移動する方法)で水流を利用し移動したと考えられる。
●濁っている原因はバクテリアの異常繁殖か有機物の放出だと予想される。
●強烈な腐敗臭がオフィスに充満。有機物をバクテリアが分解する過程で悪臭が発生しているのではないか。

1回目の立ち上げ結果

1回目の結果は、「失敗」です。社内で異臭騒ぎが起き、立ち上げ1日でリセットを余儀なくされました。。
主に失敗した原因は「貝の混入」と「無洗浄」の2点だと思います。天然の砂に定着しているバクテリアをそのまま活かして、立ち上げることは無茶でした。
広大な海の環境をそのまま60㎝のサイズに収めても1日で崩壊してしまいました。。
しかしここで諦めず、すぐリベンジに向けて動き出します!


l組み立て~立ち上げ(リベンジ)

1回目の反省を活かして、低床は砂ではなく貝殻を砕いたものを採用しました。
再び九十九里浜から海水と低床用貝殻を採取。粉砕した貝殻を洗浄し有機物などを取り除きます。
余った天然海水はバクテリアが死なないようにエアレーションを回し続けます。

【洗浄工程】
①水洗い
余計な砂や藻類、ゴミなどを取り除くため何回も繰り返し水道水でこすり洗い。
②塩素洗浄
有機物を分解するためには塩素洗浄が必須。腐敗したたんぱく質や寄生虫などを分解し臭いも除去。
※生体がいる場合は特にすすぎ洗いを徹底的にすることが重要
③熱湯処理
大きめの鍋に貝を入れて20分ほど煮沸が理想ですが、オフィス内に鍋や火が無いので熱湯に浸し殺菌。


貝に付着しているバクテリアは死滅しますが、天然海水に含まれるバクテリアの住処をつくり、繁殖を試みます。
貝殻粉砕後(写真右)の粗さが目立ちますが、予想以上に砕くの大変なんです。。

【水槽立ち上げ】
プロテインスキマー
洗浄したプロテインスキマーを贅沢にも2つ設置。フィルターは使用済みのものを水洗いして再利用しました。
使用プロテインスキマー:ZENSUI QQ1
外部フィルター
下層にスポンジを設置し、その上にいただいた未開封のろ材(生物ろ過)を投入しました。
後程、作成した貝殻ろ材を追加します。
上の部分にまだ余白があるので追加ろ材が手に入ったら追加したいと思います。
使用外部フィルター:EHEIM 2217
天然海水
低床の準備をしている間、汲んできた天然海水を投入し水を回し、外部フィルターやプロテインスキマーなどの水の流れや漏れを確認します。
バクテリアが繁殖しやすいようにプロテインスキマーのエアレーションをMAXにしておきます。
ライト
現時点でライトはあまり意味がないですが、気分が上がるのでつけておきます(笑)
サンゴや魚を入れるのが楽しみです!


立ち上げ完了後まず心配なのが異臭チェックです(笑)3日ほど経ちましたが異臭はなく透明度も高いです!
用意していた低床(粉砕貝殻)の洗浄が終わったので、水槽に投入していきます。(写真右)
この後は、ひたすら水を回し続けてサンゴや魚を迎えられる環境を作っていきます。

l今回のまとめ

一見無謀にも思える「0円海水水槽チャレンジ」は、なんとか立ち上げることに成功しました。(本番はここからですが、、)
天然の物を使用する場合のポイントは、しっかりと「洗浄」をする事です!
砂や貝殻に付着している有機物などをバクテリアが分解する時に腐敗臭が発生するので、必ず「洗浄」を徹底してください。

あとは、いかに機材を揃えられるかです。
今回はお下がりをいただき立ち上げに成功しましたが、全く何も用意がない方も多いと思います。
私なりに立ち上げに最低限必要な機材をまとめてみました!

最低限必要なもの

・水槽 60㎝以上が好ましい
・プロテインスキマー 
・エアーポンプ
・外部フィルター
・備品類(ホース、スポンジ、貝殻入れるネット)
※あくまでも個人の見解であり、立ち上げに限ったお話です

採取した天然海水のpHと塩分濃度を管理する必要があるので、下記のハンナ測定器を使用しました。
はじめての測定で、ドキドキでしたが、許容範囲内におさまっていたので安心しました。

使用した測定器

塩分テスター(HI 98319)
小型で手軽ながら精度の高い測定が行えます。本器はEC(導電率:電気伝導のしやすさ)から塩分濃度を導き出すので、精度面や分解能の面でより信頼性の高い測定が行えます。
塩分テスター(HI 98319)の詳細はこちら


壁掛け式pH/塩分/℃モニター(HI 981520-01)
pH/塩分/温度が常時表示できるので、水質管理が圧倒的に楽になります。電極は浸漬可能で、各項目の設定値が上回る(下回る)と画面が点滅しお知らせしてくれます。
(HI 981520-01)の詳細はこちら


レンタルサービスも行っているのでご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
もちろん上記2製品ともレンタル利用が可能です。
お問い合わせコチラ


l次回に続く!

第一弾の0円海水水槽チャレンジ【立ち上げ編】はいかがでしたか?
次章では、ハンナの測定器を使用し、立ち上げに重要なアンモニア、亜硝酸態窒素、硝酸塩の水質チェックをしながら、飼育できる環境を整えていきます。
どのくらいの期間で生体を飼育できる環境がつくれるのか!? そもそも生体を飼育するのは難しいのか!?
次章で明らかになります!乞うご期!!
(執筆者:内山)


lすべてのお客様へ

ハンナ・ジャパンでは、測定器を選ぶ・使う上で安心していただけるよう、常により良いサポートを目指しています。測定器ご利用中の点検・メンテナンスサポートをはじめ、製品選定でのお困りごとなどにも丁寧にスピーディーに対応いたします。
ご不明点やご相談などがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
お電話もお待ちしております。(TEL:043-216-2601)
お問い合わせはこちら
【レンタル】
「買う」だけでなく「借りる」というご提案もしています。
✓使用する期間が限られている
✓実験や調査でちょっと使ってみたい
という方にはぴったりです!
レンタルはこちら


この記事の関連ページ
【第二弾!アクア女子成長記】初心者による海水水槽立ち上げレポート!
水槽の水質管理ならハンナ
アクアリウムカタログ